
恋愛
変愛小説集 日本作家編
講談社(講談社文庫)/2018年/304ページ/本体720円/ISBN 978-4-06-293914-0
翻訳出版はありません。
愛を扱った現代日本作家による短編12編を集めたオリジナル・アンソロジーである。しかし、この本のタイトルには、翻訳できない言葉遊びが含まれている。「恋愛」ではなく、「変愛」というのは、つまり「変な愛」という意味だ。「変愛」は「恋愛」に音も形もよく似ているが、辞書には存在しない新造語である。英米文学の翻訳家として人気を博す岸本は、これまで自身の編訳で、2冊、『変愛小説集』という独創的な現代英米短編アンソロジーを出版しているが、今回はその「日本編」。岸本が選んだ現代日本の作家12人が、彼女の求めに応じて「変な愛」をめぐる短編を書いたのである。
「変愛」とは、岸本によれば、普通の恋愛の基準からはみ出した、<グロテスクだったり極端だったり変てこだったりする>愛のことだが、それが実は究極の純愛であるという逆説を、ここに収められた作品は示している。収録された作家は、本谷有希子、村田沙耶香、木下古栗といった若手から、川上弘美、多和田葉子、星野智幸といった、いま一番脂の乗った中堅世代を経て、津島佑子、吉田知子といったベテランまで。現代日本文学の多様さを鮮やかに示す断面図となっている。(NM)
「変愛」とは、岸本によれば、普通の恋愛の基準からはみ出した、<グロテスクだったり極端だったり変てこだったりする>愛のことだが、それが実は究極の純愛であるという逆説を、ここに収められた作品は示している。収録された作家は、本谷有希子、村田沙耶香、木下古栗といった若手から、川上弘美、多和田葉子、星野智幸といった、いま一番脂の乗った中堅世代を経て、津島佑子、吉田知子といったベテランまで。現代日本文学の多様さを鮮やかに示す断面図となっている。(NM)

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