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社会

絶望の国の幸福な若者たち

古市 憲寿

講談社(講談社+α文庫)/2015年/432ページ/本体780円/ISBN 978-4-06-281612-0
初出:2011年講談社より単行本刊行

本作品は中国語、英語に翻訳されています。

 日本ではバブル崩壊後、不況が長く続き、格差社会、ワーキングプアなど、社会的不平等が注目されるようになった。長期間の経済低迷は、中高年の生活を痛めつけただけではなく、まっさきに不利益を被ったのはむしろ若者世代だ、とする意見が多い。実際、新規採用が減り続ける中で、若者は就職難にあえぎ、その多くは非正規雇用者として不安定な生活を強いられている。また、高齢化が進むにつれ、世代間の負担と給付の格差も拡大しつつある。にもかかわらず、当の若者たちからは反発する動きは見られない。その理由は何か。

 本書によると、世の中で語られている若者のイメージと若者の実像とのあいだに大きなズレがあり、ましてや本人たちの認識とまったく違うという。若者たちは思われるほど不幸ではない。本人たちは身近な人たちとの関係を大事にし、小さな幸せに満足している。もちろん、彼らは若者が不利な状況におかれていることをよく承知している。しかし、日本は成熟した社会になり、明日は今日よりよくなることはもはや望めないのもよく心得ている。

 著者自身も若者で、東京大学の大学院博士課程に在学している。この強みを生かし、インタビューを通して同世代から本音を巧みに引き出した。地道なフィールドワークと周到な資料調査のおかげで、これまでとまったく違った若者論を展開することができた。(CK)
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古市 憲寿

古市 憲寿

1985年生まれ。慶応義塾大学SFC研究所上席所員。若者とコミュニティについて研究。著書に『希望難民ご一行様-ピースボートと「承認の共同体」幻想』、『誰も戦争を教えられない』、『保育園義務教育化』他。

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