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小説

消滅 VANISHING POINT

恩田陸

幻冬舎/2019年/上:381ページ/本体650円/ISBN 978-4-34-442827-0、下:301ページ/本体600円/ISBN 978-4-34-442828-7

翻訳出版はありません。

 海外出張から帰国した小津康久が入国審査を待っていると、緊急事態を知らせるサイレンが鳴り出した。やがて大規模な通信障害が起こり、スマホは使えなくなった。入国審査もいつもより厳しくなる。超巨大台風が接近しており、交通マヒが起きる前に帰宅できるのか、みな一抹の不安を抱いて待っていた。

 ふと見ると、ベンジャミン・リー・スコットの姿が目に入った。話題となった閲覧サイト、ゴートゥヘルリークスを立ち上げ、アメリカ当局が全米で指名手配した人物だ。スコットが入管職員に呼び止められ、小津も別室に連れていかれた。

 当局は重大なテロ事件が計画され、女性3人を含めた10人の乗客の中にテロリストがいることを把握し、一つの部屋に閉じ込めたのだ。キャスリンという、女性の姿をしたロボットが監視と管理を担当している。10人は疑心暗鬼になり、誰が犯人かを探り合っている。夜になって、キャスリンが全員を寝室に連れて行こうとすると、中年女性の市川香子が突然逃げ出し、物語が急転直下する。

 恩田陸は『六番目の小夜子』でデビュー以来、ジャンルを超えた多彩な作品を発表してきた。この長編は一日の間に起きたことを軸に、技術者、事務職、警官、医者や学者などさまざまな職業の人たちの横顔を描き、現代社会の多様性を浮き彫りにした。また、人工知能に向ける懐疑的観察眼と不安を文学的な表現の中に忍ばせ、高度化した社会システムの脆弱性を示唆している。(CK)
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恩田陸

恩田陸

1964年宮城県生まれ。1992年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞、2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞を受賞。他に『夢違』など。

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