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さまざまな生活

55歳からのハローライフ

村上 龍

幻冬舎(幻冬舎文庫)/2014年/358ページ/本体600円/ISBN 978-4-34-442187-5

本作品は中国語(繁体字、簡体字)、韓国語に翻訳されています。

 『55歳からのハローライフ』は、人気作家、村上龍の連作作品集である。5編の中編(長めの短編)を収める。ストーリーはそれぞれ独立しているが、<主人公たちが、みな人生の折り返し点を過ぎて、何とか「再出発」を果たそうとする中高年>の「普通の人々」であるという共通点がある。

 ここに登場する人たちは、定年退職した夫と二人きりで暮らすのが耐えられなくなって離婚した58歳の女性であったり、54歳で会社をリストラされて以来、自分がホームレスに転落することを恐れるようになった男、会社を早期退職し、退職金でキャンピングカーを買って妻と日本全国を旅行しようと企てたのに、思いがけず妻に拒絶され、うつ病のような状態に陥った男、妻が夫以上にかわいがるペット(犬)を病気で失ったとき、彼女に寄り添い、一見冷淡なようで、じつは彼女を支えた夫、正体不明の女への老いらくの恋に狂った老トラック運転手など。

 ちなみに、この本の日本語のタイトルは面白い言葉遊びになっている。現代の日本では「公共職業安定所」が利用者に親しみやすい場所になるように、という目的のため「ハローワーク」(=hello work。「こんにちは、仕事」くらいの意味になると思われる和製英語)という愛称が採用されているのだが、村上の小説はそれをもじったものだ。つまり人生の再出発にあたって、新たな人生に挨拶を送ろう、という趣旨が読み取れる。中高年の日本人のさまざまな生き方を鮮やかに描いた作品集である。(NM)
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村上龍の著者画像

村上 龍

村上龍

1952年長崎県生まれ。1976年『限りなく透明に近いブルー』で群像新人文学賞と芥川賞、1981年『コインロッカー・ベイビーズ』で野間文芸新人賞、2000年『共生虫』で谷崎潤一郎賞、2005年『半島を出よ』で毎日出版文化賞と野間文芸賞、2011年『歌うクジラ』で毎日芸術賞を受賞。

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