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  • 9歳から
  • 2000年以降

みんなのためいき図鑑

村上 しいこ 作
中田 いくみ 絵

童心社/2021年/166ページ/ISBN 978-4-494-02070-6

本作品は韓国語に現在翻訳中。

 小学4年生の「たのちん」こと田之上嵐太の学校では、班ごとに「オリジナル図鑑」を作り、授業参観日に発表することになった。たのちんの班では「ためいき図鑑」を作ることになり、ためいきはどんな理由でどんな場所でつくのかをクラスのみんなに聞いていく。班にはほかに、孝四郎、小雪、七保、そして、ずっと保健室登校を続けているゆらがいる。たのちんは図鑑の絵をゆらに描いてもらい、教室に戻るきっかけを作ろうとするが、小雪は自分が絵を描くと言ってゆずらない。2人の女子の間に入って悩むたのちんの相談相手は、不思議な「ためいきこぞう」だ。それは、ゆらが、たのちんのためいきから生まれたといって紙に描いてくれた着物姿の小さな男の子の絵なのだが、家に帰るとランドセルから飛び出し、口をきくようになったのだ。たのちんはためいきこぞうに連れられて「ためいきフェスティバル」に出かけるが、そこには他の子どもたちの分身である、ためいきこぞうが大勢集まっていた。そこでたのちんは、小雪とゆらのためいきこぞうたちから2人の間に起こった過去の出来事を聞き出し、2人の仲を修復する糸口を見つける。

 仲間5人の会話が関西弁でテンポよく進み、友だち関係に悩みながらも、子どもらしいやり方で解決していく様子が楽しく描かれる。現実的な学校物語の中に、不思議な存在のためいきこぞうが違和感なく入り込み、愉快な趣を添えている。巻末に、やっと出来上がった「ためいき図鑑」が載っているのが嬉しい。(FY)
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村上 しいこ

むらかみ しいこ
1969年、三重県に生まれる。絵本や童話、小説と幅広く活躍。ひろすけ童話賞、野間児童文芸賞など受賞。著作に『うたうとは小さないのちひろいあげ』、『死にたい、ですか』、絵童話に『かめきちのおまかせ自由研究』(長谷川義史/絵)、「わがままおやすみ」シリーズ(長谷川義史/絵)、「日曜日の教室」シリーズ(田中六大/絵)などがある。

中田 いくみ

なかだ いくみ
1982年、埼玉県に生まれる。日本と台湾を拠点として作品を発表。絵本に『やましたくんはしゃべらない』(山下賢二/作)、『ママ、どっちがすき?』(織田りねん/作)、挿画に『きみひろくん』(いとうみく/作)、装画に『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』(ブレイディみかこ/著)『with you』(濱野京子/作)、漫画に『かもめのことはよく知らない』、『つくも神ポンポン』などがある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社童心社

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