小学4年生の「たのちん」こと田之上嵐太の学校では、班ごとに「オリジナル図鑑」を作り、授業参観日に発表することになった。たのちんの班では「ためいき図鑑」を作ることになり、ためいきはどんな理由でどんな場所でつくのかをクラスのみんなに聞いていく。班にはほかに、孝四郎、小雪、七保、そして、ずっと保健室登校を続けているゆらがいる。たのちんは図鑑の絵をゆらに描いてもらい、教室に戻るきっかけを作ろうとするが、小雪は自分が絵を描くと言ってゆずらない。2人の女子の間に入って悩むたのちんの相談相手は、不思議な「ためいきこぞう」だ。それは、ゆらが、たのちんのためいきから生まれたといって紙に描いてくれた着物姿の小さな男の子の絵なのだが、家に帰るとランドセルから飛び出し、口をきくようになったのだ。たのちんはためいきこぞうに連れられて「ためいきフェスティバル」に出かけるが、そこには他の子どもたちの分身である、ためいきこぞうが大勢集まっていた。そこでたのちんは、小雪とゆらのためいきこぞうたちから2人の間に起こった過去の出来事を聞き出し、2人の仲を修復する糸口を見つける。
仲間5人の会話が関西弁でテンポよく進み、友だち関係に悩みながらも、子どもらしいやり方で解決していく様子が楽しく描かれる。現実的な学校物語の中に、不思議な存在のためいきこぞうが違和感なく入り込み、愉快な趣を添えている。巻末に、やっと出来上がった「ためいき図鑑」が載っているのが嬉しい。(FY)
仲間5人の会話が関西弁でテンポよく進み、友だち関係に悩みながらも、子どもらしいやり方で解決していく様子が楽しく描かれる。現実的な学校物語の中に、不思議な存在のためいきこぞうが違和感なく入り込み、愉快な趣を添えている。巻末に、やっと出来上がった「ためいき図鑑」が載っているのが嬉しい。(FY)