小学4年生のえりとエミの2人の往復書簡で進んでいく物語。えりは、大都会の横浜から山口県に引っ越して祖父から小さな畑をもらい、イチゴやハーブを育てながら日々新たな体験をしている。何度も踏まれた雑草は別の場所に生え変わること、鳥に食べられた小松菜が先祖返りをして硬い葉を伸ばしたこと、クモは嵐が来る前はいい加減な巣をつくることなど、えりの書いた手紙の文章からは、人間以外の生き物たちの生きる力をしっかり感じとって、おもしろがっていることが伝わってくる。
一方、横浜の小学校にとどまっているエミは、えりとも幼い頃から共通の友だちだったけんちゃんが、いじめを受けて引きこもりになっていることを心配している。けんちゃんの部屋の猫の出入り口から足を突っ込んでみたこと、えりが送ってくれた野菜をその猫の出入り口から投げ入れたら、小さなカエルもぴょんぴょん一緒に入っていったこと、そのカエルをけんちゃんが飼っているらしいことなどをつづるエミの手紙の文章からは、友だちを思いやる様子が伝わってくる。また最後には、けんちゃんが外に出て自転車に乗っている姿をエミが見たことを伝えて、読者にも希望を抱かせる。
デジタルの時代に、2人の少女たちは、あえて時間のかかる手紙という手段でやりとりをしていく。それによって、想像をめぐらせながら深まっていく友情のかたちがあることも示唆されている。(SY)
一方、横浜の小学校にとどまっているエミは、えりとも幼い頃から共通の友だちだったけんちゃんが、いじめを受けて引きこもりになっていることを心配している。けんちゃんの部屋の猫の出入り口から足を突っ込んでみたこと、えりが送ってくれた野菜をその猫の出入り口から投げ入れたら、小さなカエルもぴょんぴょん一緒に入っていったこと、そのカエルをけんちゃんが飼っているらしいことなどをつづるエミの手紙の文章からは、友だちを思いやる様子が伝わってくる。また最後には、けんちゃんが外に出て自転車に乗っている姿をエミが見たことを伝えて、読者にも希望を抱かせる。
デジタルの時代に、2人の少女たちは、あえて時間のかかる手紙という手段でやりとりをしていく。それによって、想像をめぐらせながら深まっていく友情のかたちがあることも示唆されている。(SY)