科学の知識を盛り込んだ、学校が舞台の物語。エピソードが4つ並んでいる。6年生の彰吾は、自信過剰な児童会長。理科教師の父親が、いくつかの小学校で科学実験の指導をすることになり、彰吾の学校にも来ることになったのだが、彰吾は、おっちょこちょいな父親と親子だと思われるのが嫌で、家族関係は秘密にするようにと父親に釘を刺す。
ところが、彰吾の学校で次々に不思議な事件が起こる。最初は、理科実験室で人体模型が大声で笑ったという事件。生徒たちが怖がっているのを知ると、彰吾の父親であるキリン先生(背が高くキリンのぬいぐるみをポケットに入れていることから生徒たちにこう呼ばれている)は、みんなを公園に連れて行き、そこに準備しておいたホースを使って、遠くの音でも管の中を伝わるとはっきり聞こえるということを教える。人体模型が笑ったと思ったのは、使っていない水道管を通じて、ほかの場所で出した音が聞こえたというのが真相だった。
2つ目は、離島から来た転校生が海の夕陽を緑色に描き、みんなからヘンだと言われてキレた事件。3つ目は、同級生の女の子がなくしたリップクリームが学校の花壇に泥だらけで落ちていた事件。そして、最後は図書委員たちが図書館においた人魚姫の人形が赤い涙を流す事件。どれも最後にはキリン先生が、実験や説明で謎を解きあかし、光の波長や液状化現象、化学薬品のアルカリ性・酸性の性質など、それぞれの事件の裏にある科学的事実を証明してくれる。彰吾も父親を見直すことになる。科学的な情報が物語の中にうまくとけ込んでいて、おもしろく読める。(SY)
ところが、彰吾の学校で次々に不思議な事件が起こる。最初は、理科実験室で人体模型が大声で笑ったという事件。生徒たちが怖がっているのを知ると、彰吾の父親であるキリン先生(背が高くキリンのぬいぐるみをポケットに入れていることから生徒たちにこう呼ばれている)は、みんなを公園に連れて行き、そこに準備しておいたホースを使って、遠くの音でも管の中を伝わるとはっきり聞こえるということを教える。人体模型が笑ったと思ったのは、使っていない水道管を通じて、ほかの場所で出した音が聞こえたというのが真相だった。
2つ目は、離島から来た転校生が海の夕陽を緑色に描き、みんなからヘンだと言われてキレた事件。3つ目は、同級生の女の子がなくしたリップクリームが学校の花壇に泥だらけで落ちていた事件。そして、最後は図書委員たちが図書館においた人魚姫の人形が赤い涙を流す事件。どれも最後にはキリン先生が、実験や説明で謎を解きあかし、光の波長や液状化現象、化学薬品のアルカリ性・酸性の性質など、それぞれの事件の裏にある科学的事実を証明してくれる。彰吾も父親を見直すことになる。科学的な情報が物語の中にうまくとけ込んでいて、おもしろく読める。(SY)