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  • 11歳から
  • 2000年以降

科学でナゾとき!わらう人体模型事件

あさだ りん 作
佐藤 おどり 絵

偕成社/2020年/207ページ/ISBN 978-4-03-649140-7

翻訳出版はありません。

 科学の知識を盛り込んだ、学校が舞台の物語。エピソードが4つ並んでいる。6年生の彰吾は、自信過剰な児童会長。理科教師の父親が、いくつかの小学校で科学実験の指導をすることになり、彰吾の学校にも来ることになったのだが、彰吾は、おっちょこちょいな父親と親子だと思われるのが嫌で、家族関係は秘密にするようにと父親に釘を刺す。

 ところが、彰吾の学校で次々に不思議な事件が起こる。最初は、理科実験室で人体模型が大声で笑ったという事件。生徒たちが怖がっているのを知ると、彰吾の父親であるキリン先生(背が高くキリンのぬいぐるみをポケットに入れていることから生徒たちにこう呼ばれている)は、みんなを公園に連れて行き、そこに準備しておいたホースを使って、遠くの音でも管の中を伝わるとはっきり聞こえるということを教える。人体模型が笑ったと思ったのは、使っていない水道管を通じて、ほかの場所で出した音が聞こえたというのが真相だった。

 2つ目は、離島から来た転校生が海の夕陽を緑色に描き、みんなからヘンだと言われてキレた事件。3つ目は、同級生の女の子がなくしたリップクリームが学校の花壇に泥だらけで落ちていた事件。そして、最後は図書委員たちが図書館においた人魚姫の人形が赤い涙を流す事件。どれも最後にはキリン先生が、実験や説明で謎を解きあかし、光の波長や液状化現象、化学薬品のアルカリ性・酸性の性質など、それぞれの事件の裏にある科学的事実を証明してくれる。彰吾も父親を見直すことになる。科学的な情報が物語の中にうまくとけ込んでいて、おもしろく読める。(SY)
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あさだ りん

1970年、東京に生まれる。敬愛する作家アーサー・ランサムとアストリッド・リンドグレーンから筆名をつける。2016年に剣道をテーマにした『まっしょうめん!』でデビューし、シリーズ化される。「科学でナゾとき!」シリーズは、自身の子どもと参加した科学教室がきっかけで執筆した。現在は長野県在住。

佐藤 おどり

さとう おどり
イラストレーター。デザイナーをしながらイラストの仕事をはじめ、現在は独立して書籍の装画や挿画などで活躍。影響を受けた作品は臼井儀人の漫画「クレヨンしんちゃん」という。装画に『表参道高校合唱部!』(櫻井剛/脚本、桑畑絹子/文)、挿画に『原稿用紙1枚の物語』(あいはらまひろ/文)などがある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社偕成社
海外版権担当

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