ヒロカ は、近くに住む祖父の家に東京から泊まりに来たいとこのたくみから、いつも行くコンビニの前に「模擬原子爆弾投下跡地」という碑があることを教えられる。家の近くにそんなものがあったことを知り、不思議に思ったヒロカは父さんに聞く。父さんはすぐにパソコンで調べてくれて、いろんなことがわかってきた。模擬原子爆弾というのは、長崎に落とされた原子爆弾とほとんど同じ形をした爆弾で、パイロットが原爆投下の練習をするため、1945年の7月20日から8月14日にかけて、日本各地に49発も落としたという。色や形がカボチャに似ていたことから、「パンプキン」と呼ばれたが、この爆弾投下で多くの人が亡くなったのだそうだ。「練習で人殺すって、ひどくない?」と、ヒロカは父さんに問いかける。そんなひどいことをなぜしたのか知りたくなったヒロカは、祖父やたくみに協力してもらいながら、原爆や戦争のことを夏休みの自由研究で調べ始める。調べれば調べるほど終わりがないので諦めかけたヒロカに、「知らないことは、こわいことだよ。事実と違うことも信じてしまうことになるから」とたくみはいう。ごく普通の少女が素朴な疑問を持ち、いろいろ考え、自分で調べながら、原爆のことや平和の大切さを知ることになる。(NA)