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日本の民話11 沖縄の民話

伊波 南哲 編

未來社/2015年/224ページ/ISBN 978-4-624-93511-5

初版年 1958年

翻訳出版はありません。

 日本の南西部にある沖縄の40編の民話を「沖縄本島」(28編)「宮古群島」(3編)「八重山群島」(9編)の3部に分けて再話した作品。子どもが読んでも楽しめるような再話になっており、「沖縄らしく、南国の風物や海や空などが民話の綾をなしている。」(「はしがき」より)。

 作品の中には、男と千鳥が結婚する異類婚姻譚(「千鳥の歌」)、羽衣伝説(「桑の杖」「天女のお母さん」)や、漁師が竜宮城へ行く話(「不思議なつぼ」)、薩摩の殿様の無理難題を逃れるために知恵を働かせる青年の物語「頓智小僧」、のみとしらみの体型の由来譚(「のみとしらみ」)など、さまざまなタイプの作品が収められている。

 沖縄は明治時代までは琉球王国という独立した国であったが、1879年に沖縄県となる。また、太平洋戦争中には戦場となり、島民の4分の1が犠牲になった。敗戦から1972年まではアメリカに統治され、本書が初めて出版された1958年には、アメリカ統治下にあった。そんな中で民話を語り継ぐことは、沖縄民族に誇りを持ち、民族としてのアイデンティティを確認する意味でも意義深い。作品からは、沖縄民族の知恵と、ユーモアと自然に対する畏敬の念や自然の不思議に対する解釈と、琉球王朝に対するあこがれや、島外の権力に対する抵抗の気持ちが読み取れる。また、再話者が詩人かつ作家であるため、文学的な昔話の再話になっており、ストーリー展開が巧みで登場人物の会話が楽しめる。(DY)
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伊波 南哲

いばなんてつ
1902年、沖縄県に生まれる。石垣島で生まれ育ち、近衛歩兵として上京。除隊後、公職につきながら詩を作る。詩集、童話、小説、随筆など多くの作がある。著作に『オヤケ・アカハチ』、『沖縄風土記』、『逆立ち幽霊 : 沖縄怪談集』、『交番日記』、『故郷よさらば』、詩集に『銅鑼の憂鬱』、『沖縄風物詩集』などがある。1976年逝去。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社未來社

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