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それいけズッコケ三人組

那須 正幹 作
前川 かずお 絵

ポプラ社/1983年/208ページ/ISBN 978-4-591-01013-6

初版年 1978年

本作品は中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に翻訳されています。

 「三人組登場」という本書の第1章は、タイトルの「ズッコケ三人組」なる主人公の少年たち、小学校6年生のハカセ、ハチベエ、モーちゃんの、それぞれの特徴を明確に印象づける出来事が語られる。毎朝、団地のトイレの中で勉強し、妹に文句を言われているハカセ。校庭の遊び場を確保するために、校門が開く前から待っているお調子者のハチベエ。授業が始まってからのんびりやってくるスローモーなモーちゃん。トイレにこもっていたハカセの家に泥棒が入るや、トイレットペーパーに助けを求める伝言を書いてトイレの窓から垂らすも、ハチベエもモーちゃんも「強盗」という漢字が読めずモタモタするばかり……。状況を俯瞰する三人称の客観的な語りと、それぞれの性格を明快に表現する軽妙な会話が、3人のちぐはぐぶりを余すところなく描き出していく。漫画家の前川による挿し絵が、キャラクターのイメージをさらに鮮明にする。

 他にも、池に仕掛けた幽霊の人形で女の子たちを怖がらせようとする話や、貝塚の発掘のために近くの城址に出かける話など、4つの話が続き、自殺した女性の死体を見つけてしまったり、城址で迷い込んだ洞窟が戦時中の防空壕であったりと、社会的な問題との関わりも見えてくる。笑いをさそうキャラクター、起伏のあるストーリーと、読者をひきつける要素がつまった本作は、以後50巻まで続く、エンターテインメントの一大シリーズとなって親しまれている。(OM)
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那須 正幹

なす まさもと
1942年、広島県に生まれる。絵本、童話、小説、ノンフィクションと幅広く活躍。「ズッコケ三人組」シリーズは、中年、熟年シリーズも合わせると全61巻にもなる。路傍の石文学賞、野間児童文芸賞、巌谷小波文芸賞など受賞多数。著作に『さぎ師たちの空』『ねんどの神様』『ヒロシマ三部作』、絵本に『ぼくらの地図旅行』『広島の原爆』(ともに西村繁男/絵)など。2021年逝去。

前川 かずお

まえかわ かずお
1939年、大阪府に生まれる。漫画、絵本、挿画などで活躍。小学館児童漫画賞、日本漫画家協会賞などを受賞。絵本に『絵巻えほん 川』『おひさまあはは』、『ほしの子ピコまちにくる』、絵童話に「うさぎのとっぴん」シリーズ、紙芝居に『へんてこおじさん』、挿画に『おばあさんなんでも相談所』(那須正幹/文)などがある。1993年逝去。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社ポプラ社
Email: foreign-rights-sales@poplar.co.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)

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