古代から人びとは、国生みや神々の話を語り継いできた。日本では言い伝えられてきた神話を『古事記』、『日本書記』、『風土記』に記して後世に伝えた。本書は『古事記』上巻(神代の巻)を中心に、著者の視点でまとめられたものである。日本神話には多くの神々が登場する。神々はみな個性豊かで、ときに愛し合い、憎み合い、そしていさかいも起こす。どこか私たち人間自身のようでもある。著者はこの日本神話の大らかさ、無邪気さ、人間らしさに魅せられ、子どもたちに、古代に生きた人びとの心を伝えたいと考えた。
天と地がまだはっきりと分かれていなかったはるか昔、宇宙をつかさどる神であるアメノミナカヌシは、男神イザナギと女神イザナミに、下界に美しく豊かな国を創ることを命じる。2人で力を合わせ、日本の島々と多くの神々を生み出す「国生み」、愛し合った2人が憎み合うことになる「黄泉比良坂」、日の神アマテラス、月の神ツクヨミ、海の神スサノオノミコトが生まれる「三人の神」と、日本の誕生と神々の誕生の物語を皮切りに19話が紹介される。人々の願い、恐れ、祈りのなかから生まれたのが神話だ。一話一話を個々に楽しむこともできる。全体を読み通したときには、自然の中に百万の神々が存在する日本の風土、この国で共に生きる神々と人びとの姿が見えてくる。(SJ)
天と地がまだはっきりと分かれていなかったはるか昔、宇宙をつかさどる神であるアメノミナカヌシは、男神イザナギと女神イザナミに、下界に美しく豊かな国を創ることを命じる。2人で力を合わせ、日本の島々と多くの神々を生み出す「国生み」、愛し合った2人が憎み合うことになる「黄泉比良坂」、日の神アマテラス、月の神ツクヨミ、海の神スサノオノミコトが生まれる「三人の神」と、日本の誕生と神々の誕生の物語を皮切りに19話が紹介される。人々の願い、恐れ、祈りのなかから生まれたのが神話だ。一話一話を個々に楽しむこともできる。全体を読み通したときには、自然の中に百万の神々が存在する日本の風土、この国で共に生きる神々と人びとの姿が見えてくる。(SJ)