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女の子の昔話 日本につたわるとっておきのおはなし

中脇 初枝 再話
唐木 みゆ 画

偕成社/2012年/222ページ/ISBN 978-4-03-512710-9

翻訳出版はありません。

 日本の昔話といえば、「ももたろう」「はなさかじい」など男の子や正直じいさんの話が有名だ。しかし、日本各地には、女の子や女房やおばあさんが活躍する話も実はたくさん伝わっている。たとえば「わらしべ長者」は1本のわらから次々と物をとりかえていって宝を得る息子の話として知られているが、岩手県の昔話では、三人姉妹の末むすめが主人公となっている。「舌切り雀」(したきりすずめ)といえば、いじわるなばあさまが食いしん坊のすずめの舌をはさみで切ってしまう話だが、秋田県の昔話では、舌を切るのはじいさまでやさしいばあさまが宝を得る。本書は、そうした女性主人公が活躍する昔話だけを20話集めた再話集である。共通語で再話されているが、「ぱたぱた、けけろう」といった鶏の鳴き声や「ぴんぱらりん」といった美しい髪を櫛けずる音など、各地の伝承の言葉も生かされている。

 三人姉妹の末のむすめや、継母にいじめられた女の子が幸福を得るという昔話共通のパターンは、本書でもくり返されている。しかし、中には、とても仲のいい蝶の三姉妹の話「赤いちょうと黄色いちょうと白いちょう」や、継母にいじめられている継子のお月を実子のお星が助ける「お月お星」など、ユニークな展開もある。とてつもない威力の屁をするあねさまや、荷物ごと牛をかつぎあげる怪力の「おかね」が活躍する豪快な話もあり、さまざまな女性が生き生きと語り伝えられてきたことに勇気づけられる。(OM)
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中脇 初枝

なかわき はつえ
1974年、徳島県に生まれる。高校在学中に坊ちゃん文学賞を受賞し、作家としてデビュー。創作とともに、昔話の聞きとり、再話、語りを行う。著作に『魚のように』、『きみはいい子』、『わたしをみつけて』、『ちゃあちゃんのむかしばなし』、絵本に『マーヤのさるたいじ』(唐木みゆ/絵 )、『こりゃまてまて』(酒井駒子/絵)などがある。

唐木 みゆ

からき みゆ
1984年、奈良県に生まれる。絵本、イラストレーション、舞台美術、壁画など、主に神話や古典に題材をとって制作活動をしている。挿画に『マンガでわかる「日本絵画」の見かた』『マンガでわかる「日本絵画」のテーマ』(共に矢島新/監修)、絵本に『マーヤのさるたいじ』(中脇初枝/文)などがある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社偕成社
海外版権担当

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