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日本の昔話(全5巻)

おざわ としお 再話
赤羽 末吉 画

福音館書店/1995年/ISBN 978-4-8340-3315-1

5巻「ねずみのもちつき」はベトナム語に翻訳されています。

 正直なおじいさん、おばあさんが、川を流れてきた箱に入っていた子犬を大切に育てると、「ここほれわんわん」と大判小判のありかを教えてくれる「はなさかじい」、桃からうまれた桃太郎が、犬、猿、きじをお伴に鬼退治に行く「ももたろう」をはじめ、「したきりすずめ」「ねずみのもちつき」「さるかにかっせん」といった日本に伝わる昔話301話を5巻にまとめたシリーズ。正月から春を感じさせる話を集めた第1巻から、冬を感じさせる話を集めた第5巻まで、日本の季節の流れにしたがって構成されている。日本の四季おりおりの自然と向き合い、動物や怪異のものと関わり合ってきた、さまざまな人々の生き方、育ち方を感じることができる。

 昔話の研究者でもある著者は、もともと方言で記録された昔話をすべて共通語で統一し、口伝えならではの話の形がつかめるように再話している。主人公や敵は、極端な性質でくっきりと示し、できごとは3回くりかえして印象づけ、切ったり、食われたりといった残酷な場面は、写実性は省いてすっきり示す。ただ、「むかし」で始まる話の最後を閉じる言葉は、「いきがぽーんとさけた」「どんどはれ」「とっぴんぱらりの、さんしょの実」など、各地で語り伝えられてきた言葉を採用し、今の子どもたちにとっても不思議な響きを持つ、伝承の言葉の面白さも感じられる。巻末には「昔話にでてくる道具」の絵や、各再話のもととなった資料一覧も掲載されている。(OM)
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小澤 俊夫

おざわ としお
1930年、旧満州に生まれる。グリム童話の研究から出発して、日本の昔話の研究・比較研究を行う。1998年に小澤昔ばなし研究所を設立。著書に『昔ばなしとは何か』、『グリム童話の誕生』など。絵本に『かちかちやま』『うまかたやまんば』『みるなのくら』(ともに赤羽末吉/絵)、『三まいのおふだ』(かないだえつこ/絵)など。

赤羽 末吉

あかば すえきち
1910年、東京生まれ。1932年に旧満州へ渡り、47年帰国。1961年に最初の絵本『かさじぞう』(瀬田貞二/再話)を出版。日本人画家初の国際アンデルセン賞画家賞を受賞するなど国内外で高い評価がある。絵本に『ももたろう』(松居直/文)、『スーホの白い馬』(大塚勇三/文)、『鬼ぞろぞろ』(舟崎克彦/文)など。1990年逝去

翻訳出版に関する連絡先

株式会社福音館書店
Email: international-rights@fukuinkan.co.jp
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