千鶴が通う中学校の1年生のクラスはA組とB組の2つだけ。千鶴はA組で、親友と離ればなれになって心細かったので、入学した最初の日、勇気を出して後ろの席の少女・志保理に話しかけ仲良しになった。2週間もすると、その2人に麗海が加わる。麗海は早々にバレー部に仮入部したが、千鶴と志保理は部活選びに悩んだ末、一緒に吹奏楽部に入る。A組は男女合わせて24人。物語は、新学期からの「前期」と、10月からの「後期」の2冊にわたり、クラスメイト24人のひとりひとりにスポットを当てたエピソードでつながっていく。千鶴の次は志保理が主役。志保理は小6の秋、風邪で学校を休んでいる間に、仲良しの3人組から仲間外れにされた嫌な思い出がある。だから、千鶴との間に麗海が加わったことで、いつまた外されやしないかと、彼女の存在が不安のもと。その麗海が、生徒会で運営しているウェブサイトに名指しで嫌がらせの書き込みをされる。それがきっかけで翌日学校を休んだ麗海を、志保理は千鶴と一緒に訪ねてみようと思うのだ。書き込みをしたのはクラスのお笑いコンビの蒼太だったが、今さら言い出すことができない。その蒼太が、クラスを賑わす第2の事件に巻き込まれる。さまざまに悩みや問題を抱えた級友たちの1年間が、24人それぞれの視点から多種多様に描写され、シリアスな中にユーモアがあり、同世代の子どもたちに爽やかなエールを送る。(NA)