メニュー開閉ボタン
『バッテリー』の表紙画像

試し読み

  • サンプル画像1
  • サンプル画像2
  • 11歳から
  • ロングセラー

バッテリー

あさの あつこ 作
佐藤 真紀子 絵

教育画劇/1996年/244ページ/ISBN 978-4-8769-2581-0

本作品は、中国語(簡体字、繁体字)、韓国語に翻訳されています。

 中学入学前の春休みに、巧は父の転勤で岡山県の小都市に引っ越してきた。そこは両親の故郷でもあり、一家は祖父の家に住むことになる。小学校の野球チームで天才的な資質をもつ投手といわれた巧は、自信に満ち、自分だけを信じる少年だ。父は仕事に忙しく、母は生まれつき病弱な弟の青波の心配ばかりしているので、巧はかたくなに自分の世界を守り、誰にも心を開くことがない。しかし、高校野球の監督として何度も甲子園に出場した経験のある祖父、洋三は厳しくも温かい目で巧を見守る。新しい環境でもトレーニングを怠らない巧は、ランニングの途中で体の大きな少年、豪と出会う。豪も地元の野球チームのキャッチャーとして県大会まで出場しており、巧の評判を知っていた。巧はおれの球を受けてみろとばかりに豪を誘い、投球練習をするが、巧の剛速球を苦もなく捕球した豪に驚き、豪とならば最高のバッテリーが組めるかもしれないと思う。春休みという短い期間の出来事だが、2人の主人公と、それをとりまく家族や野球少年たちが生き生きと描き分けられ、印象的なドラマとして心に残る。一筋縄ではいかない性格の巧と、それを大らかに受け止める豪の関係が、地元の中学の野球チームで今後どのように発展していくのか、読者に期待させて物語は終わる。続編が5巻あり、挫折を繰り返しながら成長する少年たちの姿を追っている。漫画、アニメ、ラジオドラマ、テレビドラマ、映画にもなった人気作品である。(FY)
『バッテリー』の表紙画像

試し読み

  • サンプル画像1
  • サンプル画像2

あさの あつこ

1954年、岡山県に生まれる。小学校講師として勤務の後、作家としてデビュー。児童文学、ファンタジー、時代小説など幅広く活躍。野間児童文芸賞、小学館児童出版文化賞など受賞。著作に『ラブ・レター』、「The MANZAI」シリーズ、「ほたる館物語」シリーズ、『たまゆら』、『復讐プランナー』など。

佐藤 真紀子

さとう まきこ
1965年、東京に生まれる。挿画に「いえでででんしゃ」シリーズ(あさのあつこ/文)、『クリオネのしっぽ』(長崎夏海/文)、『糸子の体重計』(いとうみく/文)、『チャーシューの月』(村中李衣/文)、『先生、感想文、書けません!』(山本悦子/文)、絵本に『りんごの木』(後藤竜二/文)、『いのちはめぐる』(嶋田泰子/文)など。

スクロールトップボタン