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  • 10歳から
  • 2000年以降

かさねちゃんにきいてみな

有沢 佳映 著

講談社/2013年/298ページ/ISBN 978-4-06-218325-3

翻訳出版はありません。

 小学5年生で集団登校の副班長であるユッキーが、班長で6年生のかさねちゃんが班の子どもたちをいかにうまくまとめているかを観察し、来年班長になる不安を感じている様子を描いた作品。

 班には、ほかに、おしゃれ好きな4年生のマユカ、忍者修行に夢中な2年生と3年生の太郎次郎兄弟、学校では話をしない2年生ののんたん、かんしゃく持ちのために前の班を追い出された1年生のミツ、そして、冬にもかかわらず薄い服を着ていて、お腹がすくとハトにえさをやっているおばあさんからパンの耳をもらって食べ、落ち着きがなく、クラスではいじめられている4年生のリュウセイがいる。

 かさねちゃんは、学校までの道中、自作の長い物語を語って聞かせる。それは、嫌われ者の子どもと呪いの魚と、体が一体になっている双子が、洪水に見舞われた町を救うというストーリーで、その話を聞くと、班の子どもたちは落ち着く。

 そんな中、リュウセイの母が家を出てしまい、ひとりになったリュウセイが保護されて祖母の家に行く。班の子どもたちは心配してそれぞれにクリスマスプレゼントを用意し、かさねちゃんとユッキーがそれをリュウセイに届ける。

 家庭環境や学校生活に難しさを抱えている子どもの様子が、率直かつユーモラスに描かれている。そして、子ども同士のお互いに対する思いやりと周りの大人のサポートによって、どんな子どもも自分らしく生きられることが伝わってくる。(DY)
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有沢 佳映

ありさわ かえ
1974年に生まれる。群馬県在住。7人の奇妙な「修学旅行」を書いた『アナザー修学旅行』で講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。以降、児童文学を手がける。日本児童文学者協会新人賞、椋鳩十児童文学賞を受賞。そのほかの著作に登場人物が70人を超える『お庭番デイズ 逢沢学園女子寮日記』がある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社講談社
国際ライツ事業部

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