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自叙伝

14歳<フォーティーン>満州開拓村からの帰還

澤地 久枝

集英社(集英社新書)/2015年/192ページ/本体700円/ISBN 978-4-08-720789-7

翻訳出版はありません。

 著者は幼い頃、父親の仕事の関係で旧満州(中国東北部)に渡った。現地の女学校に通っていた14歳のときに終戦を迎え、一年後、日本に引き揚げた。本書はその14歳から15歳までの間に体験した壮絶な日々の記録である。

 戦時中はばりばりの軍国少女であった。日本が敗けると一度も思ったことはなく、未成年者労働に動員されても何一つ文句を言わずにお国のために必死に働いた。戦況が悪化し、満蒙開拓団の農民たちの手伝いに駆り出されたとき、彼女は、女と子供しか残らない開拓民の惨状を目の当たりにする。

 終戦を境に、旧満州在住の日本人の立場は一転。ソ連の侵攻、中国共産党軍の支配に続き、中国の国共内戦が起きる。ようやく日本に帰国することができたのは、国府軍(国民党)の統治が始まってからのことである。想像を絶するような過酷な体験を通じて、少女は真実に気づいていく。

 回想録でありながら、一人称は使われず、主人公はあくまでも「少女」である。戦後70年経って、客観的に自分の体験したことを見つめなおそうとする意思の表れであろう。

 澤地久枝は、ノンフィクション作家として、これまで多くの力作を世に出したが、自分の戦争体験については一度も触れたことはなかった。本書では著者が個人生活の細部まで思い切ってさらけ出した。著者85歳の作品であり、孫の世代に伝えなければならない、という強い思いが感じられる。(CK)
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澤地 久枝

澤地久枝

1930年東京都生まれ。ノンフィクション作家。他の著書に『妻たちの二・二六事件』『昭和史のおんな』など。1986年に菊池寛賞、2008年に朝日賞を受賞。

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