
仕事
下町ロケット
小学館(小学館文庫)/2013年/496ページ/本体720円/ISBN 978-4-09-408896-0
本作品は中国語(簡体字、繁体字)、フランス語、韓国語、タイ語に翻訳されています。
佃製作所は町工場だが、主力製品からヒントを得て、ロケットエンジンの開発に成功した。だが、そのとき会社は未曽有の危機に晒されていた。大口取引先から取引終了を通告され、ライバルの大手会社は特許申請の不備をついて、巨額の損害賠償請求訴訟を起こした。佃製作所の財政を破たんさせ、安いコストで買収するのが狙いだ。
専門技術に精通する弁護士の努力で、やっと危機を乗り越えたかと思うと、宇宙航空関係で国内最大メーカーである帝国重工から特許買収の話が持ちかけられた。しかし、社長の佃航平は目先の収益よりも、部品提供にこだわった。法外な特許買収金を前に、社内の意見が対立し、社長は孤立状態に追い込まれた。しかし、交渉が進むにつれ、帝国重工の傲慢な態度が佃製作所の社員たちのプライド意識を刺激し、彼らは一致団結して製品の開発に取り組み、ついに国産のロケットを飛ばすことに成功した。
波乱万丈の物語で、一気に読ませる展開になっている。作品の構成が緻密に練られており、登場人物が生き生きと描かれている。横暴な大手企業が中小企業をいじめるという物語設定は大衆時代小説の善と悪が対決する構図を想起させるが、弱者が超人的な努力でついに強者に打ち勝つというストーリーは、判官贔屓の日本人読者の好みに合致するものである。(CK)
専門技術に精通する弁護士の努力で、やっと危機を乗り越えたかと思うと、宇宙航空関係で国内最大メーカーである帝国重工から特許買収の話が持ちかけられた。しかし、社長の佃航平は目先の収益よりも、部品提供にこだわった。法外な特許買収金を前に、社内の意見が対立し、社長は孤立状態に追い込まれた。しかし、交渉が進むにつれ、帝国重工の傲慢な態度が佃製作所の社員たちのプライド意識を刺激し、彼らは一致団結して製品の開発に取り組み、ついに国産のロケットを飛ばすことに成功した。
波乱万丈の物語で、一気に読ませる展開になっている。作品の構成が緻密に練られており、登場人物が生き生きと描かれている。横暴な大手企業が中小企業をいじめるという物語設定は大衆時代小説の善と悪が対決する構図を想起させるが、弱者が超人的な努力でついに強者に打ち勝つというストーリーは、判官贔屓の日本人読者の好みに合致するものである。(CK)

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