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きいろいばけつ

もりやま みやこ 作
つちだ よしはる 絵

あかね書房/1985年/77ページ/ISBN 978-4-251-00693-6

本作品は、中国語(繁体字、簡体字)、韓国語に翻訳されています。

 キツネの子が丸木橋のたもとで黄色いバケツを見つける。キツネの子は、前からこんなバケツがほしかった。新しくてピカピカしていて、大きさもちょうどいい。でも名前が書いてないので、持ち主はわからない。そこでウサギの子とクマの子に相談すると、1週間待って、次の月曜日にだれも取りにこなかったらキツネくんのものにしたらいい、と言ってくれる。キツネの子は、毎日何回もバケツを見に行き、手に提げてみたり、バケツに釣った魚を入れるところを想像したり、リンゴをたくさん入れてみんなに配ろうと考えたりして、ひとり楽しいときを過ごす。待ちかねた次の月曜日が来て、キツネの子が朝早く行ってみると、バケツは消えていた。ウサギの子とクマの子もやってきて、口々に残念がるが、キツネの子は、黄色いバケツと一緒に過ごしたこの1週間は、バケツは他のだれのものでもなく、いつも自分のものだったのだ、と思うことで満足し、「いいんだよ、もう」ときっぱり言って笑う。

 バケツが好きでたまらないキツネの子の純粋さが、ひとつひとつの行動からよく伝わり、自分の物にならなくても、大切に思い続けることで豊かな気持ちになれることを読者に教えてくれる。あどけないキツネの子の姿を描いた挿し絵が各ページについて、字を読めるようになったばかりの子どもにも読みやすい。同じキツネの子を主人公にした続編4冊もよく読まれている。(FY)
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森山 京

もりやま みやこ
1929年、東京に生まれる。コピーライターを経て創作の道へ。路傍の石幼少年文学賞、野間児童文芸賞、ひろすけ童話賞など受賞多数。著作に『こうさぎのあいうえお』、『パンやのくまちゃん』、「かばのこカバオ」シリーズ、絵本に『ぶたのモモコはバレリーナ』(黒井健/絵)、『みずたまり』(松成真理子/絵)など。2018年逝去。

土田 義晴

つちだ よしはる
1957年、山形県に生まれる。中谷貞彦・千代子に師事。著作に「ももちゃんはなちゃん」シリーズ、『だっこだっこ』、『うたえほん』、挿画に『このはのおかね、つかえます』(茂市久美子/文)、『あおいむぎわらぼうし』(武鹿悦子/文)、『くろくまレストランのひみつ』(小手鞠るい/文)などがある。

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