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  • ロングセラー

放課後の時間割

岡田 淳 作・絵

偕成社/1980年/166ページ/ISBN 978-4-03-641170-2

本作品は中国語(簡体字、繫体字)タイ語に翻訳されています。

 ある小学校の図工の先生だった「ぼく」は、2学期のある日、野良猫のけんかに出くわし、偶然白い服を着たネズミを救う。不思議に思いながらも介抱すると、ネズミは目をさまして逃げていった。何日かのち、そのネズミがぼくのもとに現れた。驚いたことに後ろ足で立ち、人間の言葉を話す。彼は、自分は生き残った最後の「学校ネズミ」なのだ、と言って話を始めた。

 物語は、この学校ネズミが毎週月曜日の放課後、図工準備室にやってきて、かつてこの小学校に住んでいた学校ネズミ達が見聞きしたこと、経験したことを語る、という形で進んでいく。学校ネズミの名前は、それぞれが住む場所によって決まる。1年生ネズミの話は、ひとりの女の子のしゃっくりが教室から広がり、地球上の全人類に伝染してしまった事件のこと。音楽室ネズミは、5匹のなめくじが学校のこわさを訴える、という歌を作った。保健室ネズミは語り手のネズミの父親で、『長ぐつをはいたネコ』の話が大好きだったという。そして3月、異動で学校を変わることになったぼくに最後に語られたのは、図工準備室ネズミの話だった。どの話もユニークで面白く読めるが、一方でどこか社会のあり方や学校生活への皮肉も込められているようでもある。

 自身も図工の先生だった著者が挿絵も書き、子どもたちの日常の場である学校に不思議な出来事を遊び心いっぱいに盛り込んだファンタジー作品。(SJ)
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岡田 淳

おかだ じゅん
1947年、兵庫県に生まれる。図工教師として小学校に勤務しながら執筆を続ける。産経児童出版文化賞、野間児童文芸賞、赤い鳥文学賞など受賞多数。著作に『学校ウサギをつかまえろ』、「こそあどの森の物語 」シリーズ、『扉のむこうの物語』、絵本に『ネコとクラリネットふき』など。自著の挿画を担当することもある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社偕成社
海外版権担当

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