すぐれた記憶力をもつ稗田阿礼が覚えていた神話や歴史を、太安万侶が編纂した「古事記」(712年刊)は3巻本で、天皇の命で作成されたこともあり、中巻と下巻は天皇についての記述が多い。しかし上巻には日本の神話が集められている。本書はその上巻の中から、おもしろい物語を取り上げて、子どもにもわかるように再話している。
イザナキ(男神)とイザナミ(女神)による創世、亡くなったイザナミを黄泉の国に追いかけていったイザナキの話、太陽神アマテラスが天の岩屋に閉じこもって世界が暗くなった話、荒くれ神のスサノオが、娘たちを食うヤマタノオロチという八つ頭で赤目のとてつもなく巨大な蛇を退治した話、オオナムヂが、兄たちにいじめられていた白うさぎを助ける話、オオナムヂがオオクニヌシとなって国造りをする話、夫のニニギに不貞を疑われたコノハナサクヤヒメが御殿に火を放って炎の中で子どもを産んだ話、など、どの話もダイナミックな面白さを持っている。
再話者は多くの文献を参照し、10年以上の歳月をかけて本書の出版にこぎつけた。力強い挿絵も、古代日本の神話のエネルギーをうまく伝えている。(SY)
イザナキ(男神)とイザナミ(女神)による創世、亡くなったイザナミを黄泉の国に追いかけていったイザナキの話、太陽神アマテラスが天の岩屋に閉じこもって世界が暗くなった話、荒くれ神のスサノオが、娘たちを食うヤマタノオロチという八つ頭で赤目のとてつもなく巨大な蛇を退治した話、オオナムヂが、兄たちにいじめられていた白うさぎを助ける話、オオナムヂがオオクニヌシとなって国造りをする話、夫のニニギに不貞を疑われたコノハナサクヤヒメが御殿に火を放って炎の中で子どもを産んだ話、など、どの話もダイナミックな面白さを持っている。
再話者は多くの文献を参照し、10年以上の歳月をかけて本書の出版にこぎつけた。力強い挿絵も、古代日本の神話のエネルギーをうまく伝えている。(SY)