なほちゃんは、おとなりのともこおばさんが大きい子と河原にキャンプに行くと聞き、「わたしも いく!」と大きな声で言う。大きい子たちからは「ちっちゃいこは だめ!」と言われるが、「みんなといっしょにできる!」と約束して、連れていってもらえることになった。なほちゃんは重い荷物を頑張って持った。川でぬれても泣かなかった。薪にする大きな枝を見つけて運んだ。そして夜、みんなが寝てしまった後にテントから出て、暗い中でこわがらずにひとりでおしっこもできた。キャンプ、という野外での特別なイベントでのドキドキとワクワクの経験を子どもの視線からしっかりと描いた作品だ。なほちゃんは大きい子や大人と一緒に飯ごうでご飯をたき、川ですいかを冷やして食べ、夜空に輝くたくさんの星を眺め、流れ星を見つける。自然の中で、年齢がバラバラの子どもたちと大人が共同体験をする楽しさも伝わる。「わたし、おおきいこのように ちゃんと キャンプできたよ!」と、大きな声で報告するなほちゃんの笑顔が心に残る。
絵本作家でもある著者自身による、シンプルで黄色をアクセントとする挿し絵からキャンプでの出来事がよくわかり、背伸びをして頑張るなほちゃんの心の動きも伝わってくる。読者はなほちゃんと一緒に困難に向き合い、不安の時間を乗り越える。おいしい朝ご飯を食べる最後の場面では、達成感と満足感も味わうだろう。(SJ)
絵本作家でもある著者自身による、シンプルで黄色をアクセントとする挿し絵からキャンプでの出来事がよくわかり、背伸びをして頑張るなほちゃんの心の動きも伝わってくる。読者はなほちゃんと一緒に困難に向き合い、不安の時間を乗り越える。おいしい朝ご飯を食べる最後の場面では、達成感と満足感も味わうだろう。(SJ)