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  • 7歳から
  • 昔話

子どもに語る日本の昔話(全3巻)

稲田 和子 著
筒井 悦子 著

こぐま社/1995~1996年/ISBN 978-4-7721-8029-0

翻訳出版はありません。

 桃から生まれた男の子が鬼退治に出かける「桃太郎」は、日本人ならだれもが知っている昔話であり、「かちかち山」「さるとかに」「舌きり雀」「花さかじい」とともに五大昔話と呼ばれている。こうしたおなじみの昔話のほか、伝説的な話、笑い話、きりなし話、各地に伝わる珍しい話を幅広く選び紹介した3冊の昔話集(1と3には25話、2には23話が収録)。

 口承文芸として語り継がれてきた昔話は、耳で聞くことでその楽しさを十分に味わうことができる。さらに日本の昔話には、各地方の方言による独特の音やリズムなど、豊かな広がりがある。語り手として子どもに長年、昔話を伝えてきた豊富な経験を持つ筒井悦子が、昔話の研究者である稲田和子が集めた各地の昔話を、口に出して読みやすく、楽しめるように再話してまとめた。

 現在の子どもが読んで、あるいは読んでもらって理解できることを優先しつつ、昔話の本質に忠実に、各地方の雰囲気や日本語の魅力を伝えるために、始まりと結びの句、となえ言葉や会話には方言を残した。それぞれの昔話が生まれた地域の言葉の語感、リズムを楽しむことができる。巻末には収録した原話を採集した県や地名と簡単な解説、その昔話を聞く子どもの様子が示されている。各昔話の由来、子どもに昔話を語り伝える意味を知るのに格好の1冊でもある。(SJ)
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稲田 和子

いなだ かずこ
1932年、岡山県に生まれる。長年昔話の採話・研究を続ける。主な著書に『日本昔話百選』(稲田浩二と共著)、『日本の民話61 鳥取の民話』、『かもとりごんべえ』、絵本に『くわずにょうぼう』(赤羽末吉/絵)、『あおい玉 あかい玉 しろい玉』(太田大八/絵)、『しょうとのおにたいじ』(川端健生/絵)などがある。

筒井 悦子

つつい えつこ
山形県に生まれる。1974年より岡山にて家庭文庫「草の実文庫」を開き、子どもに昔話などを語りはじめる。そのかたわら、地域の数々の教育活動・図書活動に携わる。著書に『千びきおおかみ 日本のこわい話』(太田大輔/絵)、『昔話とその周辺 −語りながら考えたこと』などがある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社こぐま社
編集部

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