お盆の3日間、親戚の人びとが集まってご先祖様の供養をする行事が「盆招き」だ。夏休み、なっちゃんも、家族と一緒に町から遠く離れた笛吹き山のヒデじいちゃんの家にでかけた。ヒデじいちゃんは、なっちゃんのママのお父さんで、「ホラふき山のおじいちゃん」と呼ばれている。お盆に集まるママの親戚の人たちは、みんなちょっぴり変わっていておもしろい。だからなっちゃんは、毎年の「盆まねき」をとても楽しみにしている。
物語の本編では「盆招き」の1日前にあたる8月12日から15日までの4日間に、なっちゃんが聞いた話、経験したことを1日1章の形で紹介する。最初はヒデじいちゃんのお話だ。じいちゃんは、今年はかしこいナメクジと夜の虹の話をしたあと、「人をだますのがうそ、人を楽しませるのがホラ」と笑った。フミおばちゃんや大ばあちゃんも月の田んぼや河童のお話をしてくれた。15日の盆踊りの夜、なっちゃんは不思議な男の子に出会うが、その顔がじいちゃんの家の仏壇にあった写真と同じだと気づく。それは、戦死したシュンスケおじさんの子どもの時の写真だった。
最後の「もうひとつの物語-さいごに本当のお話をひとつ」は、特攻隊で戦死した作者のおじさんの話だ。本編とは独立しているが、おじさんの名前は俊助で、なっちゃんが出会った男の子に重ねている。お盆は、一度死んだ人を心の中で生き続けさせるための行事でもある。平和を願う作者の思いが伝わる。(SJ)
物語の本編では「盆招き」の1日前にあたる8月12日から15日までの4日間に、なっちゃんが聞いた話、経験したことを1日1章の形で紹介する。最初はヒデじいちゃんのお話だ。じいちゃんは、今年はかしこいナメクジと夜の虹の話をしたあと、「人をだますのがうそ、人を楽しませるのがホラ」と笑った。フミおばちゃんや大ばあちゃんも月の田んぼや河童のお話をしてくれた。15日の盆踊りの夜、なっちゃんは不思議な男の子に出会うが、その顔がじいちゃんの家の仏壇にあった写真と同じだと気づく。それは、戦死したシュンスケおじさんの子どもの時の写真だった。
最後の「もうひとつの物語-さいごに本当のお話をひとつ」は、特攻隊で戦死した作者のおじさんの話だ。本編とは独立しているが、おじさんの名前は俊助で、なっちゃんが出会った男の子に重ねている。お盆は、一度死んだ人を心の中で生き続けさせるための行事でもある。平和を願う作者の思いが伝わる。(SJ)