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おばあさんのひこうき

佐藤 さとる 作
村上 勉 絵

小峰書店/1973年/101ページ/ISBN 978-4-338-01804-3

初版年 1966年

本作品は、中国語(繫体字)、韓国語、ベトナム語に翻訳されています。

 田舎の小さな町に、編み物上手のおばあさんがひとりで住んでいた。庭の大きなつばきの木に「あみものなんでもひきうけます」と札をかけ、町の人たちからたくさんの注文を受けて、せっせと編み物をする。春になり仕事を頼まれなくなっても,編み物が大好きなのでじっとしていられず自分の古い肩掛けをほどいては編み直す。そんなある日、大きな黒い蝶が飛んできた。おばあさんはその美しい羽の模様に感心し、同じ模様の肩掛けを編んでみようと考えた。ところが、やってみるとなかなか難しい。何度も編み直している間に不思議なことが起きた。編みかけの肩掛けがふわふわと浮き上がったのだ!どうやらその模様に飛ぶ秘密があるらしい。そこでおばあさんは飛行機の翼を編み、今年1年生になった孫のタツオが住んでいる大きな町の団地へと飛んでいこうと考えた。何日も何日も編み続けてようやく飛行機が完成!おばあさんは丸い月がきれいな夜,町に向けて出発する。

 好奇心あふれるおばあさんを主人公に、日々の生活の中で魔法的なできごとが起きるエブリデイ・マジックの世界をたくみに描いた作品。子どもたちは自分たちの周りには不思議なことがたくさん潜んでいること、それを見つける楽しさがあることを知るだろう。村上勉は多くの作品で著者とコンビを組み、緻密な筆致で不思議な物語世界を描き出している。本作では、生き生きと描かれたおばあさんの表情が特に強く印象に残る。(SJ)
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佐藤 さとる

さとう さとる
1928年、神奈川県に生まれる。1959年のデビュー以降、日本のファンタジー文学の第一人者として活躍。毎日出版文化賞、野間児童文芸賞、巖谷小波文芸賞など受賞多数。著作に「コロボックル物語」シリーズ、『海へいった赤んぼ大将』、『ジュンとひみつの友だち』、絵本に『おおきなきがほしい』(村上勉/絵)など。2017年逝去。

村上 勉

むらかみ つとむ
1943年、兵庫県に生まれる。小学館絵画賞などを受賞。絵本に『おおきなきがほしい』『きつね三吉』(ともに佐藤さとる/文)、『てがみをください』(山下明生/文)、『カイロ団長』(宮沢賢治/文)、挿画に「コロボックル物語」シリーズ(佐藤さとる/文)、『絵本 旅猫リポート』(有川浩/文)、画集に『村上勉 旅の画文集』などがある。

翻訳出版に関する連絡先

株式会社小峰書店
Tel.: 03-3357-3521

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